リハビリ工法
リハビリ圧入工法
リハビリ圧入工法の特徴
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根本的なASR抑制対策
亜硝酸リチウム内部圧入工『リハビリ圧入工法』は、アルカリシリカ反応(ASR)によって劣化したコンクリート構造物を根本的に治療する補修技術です。コンクリート部材全体に浸透拡散型亜硝酸リチウム『プロコン40』を内部圧入することにより、ASRの原因であるアルカリシリカゲルを非膨張化するため、以後のASR劣化の進行を根本的に抑制することができます。
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効果的な鉄筋防錆対策
亜硝酸リチウム内部圧入工『リハビリ圧入工法』は、塩害や中性化によって劣化したコンクリート構造物の鉄筋腐食を効果的に治療する補修技術でもあります。鉄筋近傍のコンクリートに浸透拡散型亜硝酸リチウム『プロコン40』を内部圧入することにより、鉄筋周囲に不動態被膜を再生するため、以後の鉄筋腐食反応を効果的に抑制することができます。そのため、ASRと塩害による複合劣化対策としても効果的です。
リハビリ圧入工法の施工事例
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橋台のASR補修事例
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橋脚 (はり部)のASR補修事例
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擁壁のASR補修事例
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大型供試体によるASR抑制効果検証実験
リハビリ圧入工法の工法概念図
リハビリカプセル工法
リハビリカプセル工法の特徴
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効果的な鉄筋防錆対策
簡易型亜硝酸リチウム内部圧入工『リハビリカプセル工法』は、塩害や中性化によって著しく劣化した小規模なコンクリート構造物または部位の鉄筋腐食を効果的に治療する補修技術でもあります。鉄筋近傍のコンクリートに浸透拡散型亜硝酸リチウム『プロコン40』を内部圧入することにより、鉄筋周囲に不動態被膜を再生するため、以後の鉄筋腐食反応を効果的に抑制することができます。
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根本的なASR抑制対策
簡易型亜硝酸リチウム内部圧入工『リハビリカプセル工法』は、アルカリシリカ反応(ASR)によって著しく劣化した小規模なコンクリート構造物または部位を根本的に治療する補修技術です。劣化した範囲全体に浸透拡散型亜硝酸リチウム『プロコン40』を内部圧入することにより、ASRの原因であるアルカリシリカゲルを非膨張化するため、以後のASR劣化の進行を根本的に抑制することができます。
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簡易な圧入装置にて合理的に補修対策
カプセル式圧入装置「リハビリカプセル」は、大規模施工用の油圧式圧入装置『リハビリ圧入機』と同等の圧入性能を有する小容量タイプの装置です。したがって、床版やボックスカルバートなど部材厚の小さな構造物の補修や桁端のみの部分的な補修のように、施工規模が小さい場合に合理的かつ経済的に適用することができます。
リハビリカプセル工法の施工事例
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リハビリカプセル工法施工状況
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リハビリカプセル設置状況
リハビリカプセル工法の工法概念図
施工動画
リハビリシリンダー工法
リハビリシリンダー工法の特徴
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スプリング圧による自動注入器
ひび割れ注入『リハビリシリンダー工法』は、注射器型のひび割れ注入器『リハビリシリンダー』を用いてコンクリートのひび割れを充填、閉塞させる補修技術です。『リハビリシリンダー』に内蔵された特殊スプリングにより、シリンダー内部にセットしたひび割れ注入材を最後まで一定圧力で自動注入することができます。
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流動性に優れた超微粒子セメント系注入材
ひび割れ注入『リハビリシリンダー工法』に使用する注入材は超微粒子セメント系注入材です。そのスラリーは粘性が低く流動性に優れているため微細なひび割れにも浸透し、緻密な硬化体を形成します。また、超微粒子セメント系注入材に先立って浸透拡散型亜硝酸リチウム『プロコン40』を先行注入することによってひび割れ内部の湿潤状態が長期間持続し、注入材の充填性がさらに向上します。
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塩害・中性化・ASRによるひび割れに対応
一般的なひび割れ注入工法の目的は、ひび割れ閉塞とそれに伴う劣化因子の遮断です。しかし、『リハビリシリンダー工法』は単にひび割れを閉塞させるだけの工法ではありません。使用材料として超微粒子セメント系注入材に浸透拡散型亜硝酸リチウム『プロコン40』を併用しますので、注入材によるひび割れ閉塞に加えて、亜硝酸リチウムによる鉄筋腐食抑制効果およびASR膨張抑制効果を付与することができます。
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公共土木施設の長寿命化に資する技術に登録
「リハビリシリンダー工法」は、広島県の公共土木施設の長寿命化に資する技術の区分3(推奨技術)に登録されています。
リハビリシリンダー工法の施工事例
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リハビリシリンダー設置状況
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座金設置状況
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プロコン40先行注入の状況
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超微粒子セメント系注入材本注入の状況
リハビリシリンダー工法の工法概念図
施工動画
リハビリ断面修復工法
リハビリ断面修復工法の特徴
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亜硝酸リチウム含有ポリマーセメントモルタルによる劣化部の修復
リハビリ断面修復工法は、塩害・中性化・ASRで劣化したコンクリートの断面修復に適しています。断面修復材はポリマーセメントモルタルに鉄筋腐食抑制効果をもつ亜硝酸リチウムを混入して塗布する部分と、ポリマーセメントモルタル単体を塗布する部分の2層構造とします。ポリマーセメントモルタルは付着力に優れたものを使用し、母材コンクリートとの一体性を確保することが出来ます。また、左官工法、湿式吹き付け工法での施工が容易で、組織が緻密であるため中性化も進行しにくくなり、耐久性に優れます。
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亜硝酸リチウムによる塩害・中性化抑制効果の付与
塩害や中性化などで劣化したコンクリート構造物に対し、リハビリ断面修復工法を適用する場合、まず、劣化したコンクリートをハツリ取り、露出した鉄筋表面に防錆材として、『プロコン40』を塗布します。その後、浸透拡散型亜硝酸リチウム『プロコン40』を混入したポリマーセメントモルタルで断面修復します。このときの『プロコン40』の混入量は一律137.5kg/㎥で、これは亜硝酸リチウム固形分で55㎏/㎥に相当します。これにより、鉄筋周囲の亜硝酸リチウムによる防錆雰囲気を持続させ、鉄筋の腐食を長期にわたって抑制します。
リハビリ断面修復工法の施工手順
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STEP1
着工前、劣化の状況
●着工前は、床版橋下面の一部に鉄筋露出が見られていた。
●たたき点検の結果、斜線部の範囲にコンクリートの浮きが確認された。 -
STEP2
はつり完了
●断面修復を行う範囲のはつり作業完了。
●着工前の写真と比べると、コンクリートの浮きが生じていた範囲の鉄筋も、既に腐食していたことがわかる。 -
STEP3
鉄筋ケレン
腐食した鉄筋の表面をディスクサンダー等によりケレンし、入念に錆を落とす。
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STEP4
鉄筋防錆材塗布
鉄筋防錆剤およびプライマーとして、鉄筋・はつり面に亜硝酸リチウムを塗布する。
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STEP5
断面修復
亜硝酸リチウムを混入したポリマーセメントモルタルにて鉄筋付近を修復したあと、残りの範囲をポリマーセメントモルタルにて埋め戻す。
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STEP6
断面修復工完了
鉄筋周囲は亜硝酸リチウムを含有した防錆材およびポリマーセメントモルタルで覆われているため、以後の鉄筋腐食反応が抑制される。
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STEP1
リハビリ断面修復工法の工法概念図
プロコンガードシステムS
プロコンガードシステムSとは
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プロコンガードシステムSは、亜硝酸リチウムを主成分とする含浸材『プロコン40』と、シラン・シロキサンを主成分とする含浸材『プロコンガードS』を組み合わせた亜硝酸リチウム併用型表面含浸工法です。
従来の表面含浸材は主に劣化因子の遮断を目的としており、その適用範囲は各劣化機構の潜伏期に相当する期間とされています。
プロコンガードシステムSは、劣化因子の遮断に加え、亜硝酸リチウムによる鉄筋防錆効果とアルカリシリカゲル膨張抑制効果を付加価値として備えています。したがって、劣化過程が潜伏期だけでなく、既に鉄筋腐食やASR膨張が生じつつある進展期や加速期前期などの段階であっても、1歩踏み込んだ予防保全対策として適用することができます。プロコンガードシステムは他の表面含浸工法と同様にコンクリートの外観を変えることはありませんので、施工後の経過観察、モニタリング性に優れています。
プロコンガードシステムSの特徴
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劣化因子の遮断
プロコンガードS(シラン・シロキサン系含浸材)がコンクリート表層部で、吸水防止層を形成して、水分・塩化物イオン、二酸化炭素などの劣化因子の侵入を防ぎます。
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劣化抑制メカニズム
■塩害、中性化の補修の場合、プロコン40(亜硝酸リチウム系含浸材)に含まれる亜硝酸イオンが鉄筋位置まで浸透、拡散することで、鉄筋の不動態被膜を再生して防錆環境を形成し、以後の鉄筋腐食の進行を抑制します。
■特に塩害補修の場合には、亜硝酸イオン供給量(プロコン40塗布量)を塩化物イオン量に応じて定量的に設定することができます。
■ASR補修の場合、プロコン40(亜硝酸リチウム系含浸材)に含まれるリチウムイオンが浸透、拡散したコンクリート表層部では、アルカリシリカゲルが非膨張化され、以後のASR膨張の進行を抑制します。 -
期待される効果
○塩害補修:劣化因子(塩化物イオン)の侵入遮断+鉄筋腐食抑制 (不動態皮膜再生)
○中性化補修:劣化因子(二酸化炭素)の侵入遮断+鉄筋腐食抑制 (不動態皮膜再生)
○ASR補修:劣化因子(水分)の侵入遮断+ASR膨張抑制 (ゲルの非膨張化)